2009年 02月 04日
森林再生 |
ご覧になった方も多いと思うが、昨日のNHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」は京都府在住の森林組合職員、湯浅勲さんがゲストだった。「森に生きる、山に教わる」というタイトルで、湯浅さんの地元、京都府日吉町の森林再生に奔走する彼の姿を追っていた。
「セロさんもご自身のブログで」何度も何度も書かれている。人が木を植えた森は、人の手で手入れをしてあげないといけないって。湯浅さんも当然同じことを言っている。「きちんと手をかけてやれば、人工林でも天然の森と同じように、恵み豊かな森となる。人間が始めたことだから、最後まで責任を持って木々を育てなければならない。」
でもここで発生するいちばん大きな壁が「コスト」だ。お金をかけられないから、森が荒廃しても結局そのまま放置することになってしまう。そして森がゆっくりと死んでいく、とテレビでは表現していた。
湯浅さんは35歳で転職して日吉町の森林組合に入り、旧態然とした体質に悶々とした日々を送り、42歳で参事になると、改革に着手していった。まず徹底したコスト削減を図るために自分たちでいろいろ工夫する。山の中に作業道を作る際にも、水害で流されないような場所を選んで作る。(流されるたびに修復に莫大なお金がかかる。)そしてそれまで出来高制、もしくは日当制だった現場の職人の給料を事務職と同じ月給制にする。これは短期的にはコスト削減の反対を行くようだが、これによって事務職と現場とが一体となり、現場の状況が事務方に伝わりやすくなる。現場の職人のモチベーションも上がり、作業効率が格段に向上する、といった効果を生んだ。
物を捨てる感覚で派遣社員を切っている今の大手メーカーに聞かせたいくらいだった。
彼の森林組合には、日本各地の森林組合の職員が大勢勉強にやってきており、彼自身も気になる森林組合には直接出向き、指導している。軽井沢近辺の森林組合にも指導に来てもらえないだろうか、と心から思った。
残念だったのは、ナレーションで「荒れ果てた森が見事に蘇えった」etc.とあるのに、映像は荒廃した森ばかりで、見事に蘇えった森の映像が全然なかったこと。こんなにきれいになるんだ、って私も感動したかったのに。
うちの隣の土地も一昨年の台風で倒れた木がそのまま放置されている。でも木が倒れてくれたおかげで、少しは地面に光が差し込むようになったのが、不幸中の幸いかな。湯浅さんも、急斜面(斜度45度以上)で間伐した木材を運び出すのは、ものすごい労力とコストがかかるから、それはもう伐採しただけで、そのままにしておき、運び出すのは思い切ってあきらめましょうと言っていた。伐採された木が自然に朽ちていき、そこからまた新しい命が生まれると。そういう方法もあるのだ。
ライフログにも載せた「イギリス ナショナルトラストを旅する」の副題は「イギリスはなぜ美しいのか」だ。日本だって美しいはずなのに、でもこのままだと美しくなれるはずの日本の森が、どんどん死んでいってしまう。でも私もこういうことを書くばっかりで、何にもできない。何かできることはあるかなぁ。
「セロさんもご自身のブログで」何度も何度も書かれている。人が木を植えた森は、人の手で手入れをしてあげないといけないって。湯浅さんも当然同じことを言っている。「きちんと手をかけてやれば、人工林でも天然の森と同じように、恵み豊かな森となる。人間が始めたことだから、最後まで責任を持って木々を育てなければならない。」
でもここで発生するいちばん大きな壁が「コスト」だ。お金をかけられないから、森が荒廃しても結局そのまま放置することになってしまう。そして森がゆっくりと死んでいく、とテレビでは表現していた。
湯浅さんは35歳で転職して日吉町の森林組合に入り、旧態然とした体質に悶々とした日々を送り、42歳で参事になると、改革に着手していった。まず徹底したコスト削減を図るために自分たちでいろいろ工夫する。山の中に作業道を作る際にも、水害で流されないような場所を選んで作る。(流されるたびに修復に莫大なお金がかかる。)そしてそれまで出来高制、もしくは日当制だった現場の職人の給料を事務職と同じ月給制にする。これは短期的にはコスト削減の反対を行くようだが、これによって事務職と現場とが一体となり、現場の状況が事務方に伝わりやすくなる。現場の職人のモチベーションも上がり、作業効率が格段に向上する、といった効果を生んだ。
物を捨てる感覚で派遣社員を切っている今の大手メーカーに聞かせたいくらいだった。
彼の森林組合には、日本各地の森林組合の職員が大勢勉強にやってきており、彼自身も気になる森林組合には直接出向き、指導している。軽井沢近辺の森林組合にも指導に来てもらえないだろうか、と心から思った。
残念だったのは、ナレーションで「荒れ果てた森が見事に蘇えった」etc.とあるのに、映像は荒廃した森ばかりで、見事に蘇えった森の映像が全然なかったこと。こんなにきれいになるんだ、って私も感動したかったのに。
うちの隣の土地も一昨年の台風で倒れた木がそのまま放置されている。でも木が倒れてくれたおかげで、少しは地面に光が差し込むようになったのが、不幸中の幸いかな。湯浅さんも、急斜面(斜度45度以上)で間伐した木材を運び出すのは、ものすごい労力とコストがかかるから、それはもう伐採しただけで、そのままにしておき、運び出すのは思い切ってあきらめましょうと言っていた。伐採された木が自然に朽ちていき、そこからまた新しい命が生まれると。そういう方法もあるのだ。
ライフログにも載せた「イギリス ナショナルトラストを旅する」の副題は「イギリスはなぜ美しいのか」だ。日本だって美しいはずなのに、でもこのままだと美しくなれるはずの日本の森が、どんどん死んでいってしまう。でも私もこういうことを書くばっかりで、何にもできない。何かできることはあるかなぁ。
by Treehouse-in-k
| 2009-02-04 10:07
| 自然